超メモ帳(Web式)@復活

小説書いたり、絵を描いたり、プログラムやったりするブログ。統失プログラマ。


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【質問箱への回答】河合隼雄先生は人生の師匠ですね。

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さて、日曜日なのだが僕は平日よりも日曜日の方が忙しいな。平日に溜めた家事を一掃しないといけないために、一日中バタバタしている。


今日は比較的時間が有る方だったから「マインドハンター」を最後まで見た。どうも今日は、これに引っ張られて精神状態が微妙にダウナーなんだよ。


「マインドハンター」の詳細はNetflixを契約して最後まで見てもらいたんだけど、「精神的にクル」作品です。FBIの行動科学班でプロファイリングを開発するまでを辿ったドラマ作品なんだけど、連続殺人犯をインタビューして、その内面の襞を分析する。


こういうFBIの行動捜査班を取り扱った作品では「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士みたいなモンスターを想像するかもしれないけど、マインドハンターの中のシリアルキラー達には生まれの中で異常を抱える他ない理由がある。でもって、主人公のホールデンはそういうサイコパスの心理を理解して、行動を予測できるようになるまでプロファイリングを極めていく。


だけど、そうやってプロファイリングが完成したのにも関わらず、行動科学班の組織の中の立場としてはホールデンの強引な捜査方法のせいで窮地に追い込まれていく。仕事の上でもプライベートでもどんどん追い詰められていく。


ネタバレになるから最後までは語らないけど、心理学を学ぶものが陥りがちな境地をよく描写しているなと思う。陳腐かもしれないが、一言で表すとニーチェの「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」が適切だろう。


主人公のホールデンは作品の冒頭では人質救出作戦の犯人まで救おうとしたんだけど作戦は失敗。犯人は銃殺されてしまう。ホールデンはそれに胸を痛めて新しい捜査技法の開発を思い立つ。だが、ホールデンがプロファイリングを極めた後は犯人の心理を利用して嵌めて相手を絶望のどん底まで陥れる。わかりやすいぐらいの暗黒落ちをしている。


心理学ってのは人間のこころを取り扱った学問なんだけど、理論を知っていれば使えるって学問でもないのよ。そのパターンは確かに統計的な傾向としてあるんだけど、どの様に表出するかは属人性に左右される。理論通りにスマートに行動を全部予測できるのは推理小説の名探偵ぐらいだ。実際は泥臭く、その対象の内面に深く共感しながら何を思っているのか想像するしか無い。殺人犯の行動を推察出来るようになるということは、殺人犯の心情に共感できるってことだ。


あと、マインドハンターの結論は、プロファイリングでは人のすべてを理解できない、みたいな内容だよ。結局の所、ホールデンの行動は全部、エド・ケンパーの手のひらで踊らされていたみたいな結末。今までホールデンが積み上げた理論が全部否定されて、ケンパーに心を折られて終了。


まぁいいや、ずいぶんと気分が沈み込んでしまって今日はブログ執筆に影響が出るぐらい憂鬱なんだよ。ここまで胸糞なのも珍しいかもしれない。


今日は日曜日なので質問箱への回答を計画しております。今週は一件質問が届いています。さっそく、質問に回答してまいろう。

河合隼雄先生って、どんな先生でしたか?
私にとっては、教科書に引用されている神様です。


河合隼雄先生は僕にとっても人生の師匠みたいな存在の人です。僕は高校時代に河合先生の著作を読んだおかげで、大学の専攻は心理カウンセリングを選んだという経緯があります。


河合先生は文化省の長官を勤めているときも、カウンセリング受けることを止めなかったって人です。金銭的に困っている人からは少額だけ取るようにしてカウンセリングを続けていたらしいです。膨大なカウンセリング症例集を残しているんですけど、まさしく達人の境地でしたね。禅問答みたいでその時はよくわからない受け答えをしているんですけど、カウンセリングが後半に入ってクライアントの深層心理の掘り下げが深くなってきた所で河合先生はその象徴を言い当てていることが分かるってケースがありました。どれほど人間への理解が深ければあんなことが出来るんだろうって人間の器が規格外の人でしたね。


日本の臨床心理学ってのは河合先生が形を整えたんじゃないかなーってぐらい、影響が強い人ですよね。元々河合先生は数学をしようとしていたらしいんですけど、ユング心理学を知ってスイスの研究所に渡る。そこで分析を受けてきて日本に帰ってくる。ユング心理学はぶっちゃけ、オカルト色が強くて実戦に向かないジャンルなんですけど、それを河合先生が論理的にまとめ上げて日本で広めたって経緯があります。河合先生といえば箱庭療法なんですけど、数学をやってた為、ユング心理学は論理思考が強くて最初は受け入れ難かったらしいです。だけど、日本で河合先生の理論が広く取り入れられたのは、その河合先生の理詰めの性格で論理構築がかっちりしてたためだと言われています。


まー、僕は心理学は学んだんだけど、実戦の臨床現場が怖くて逃げて全くカウンセラーとは別ジャンルのプログラマになったみたいな経緯を持っている。だから、僕が心理学を語っちゃいけない気もするね。でも、今からでもピアカウンセラーとかやってみたいみたいな野望もあるんだ。僕の本質的な所で人を助けたりする仕事が好きだったりってのはあるんで、今からでもカウンセラーの勉強は始めたい。

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