今日はマラソンの日だったんだけど、朝は雨降って行かなかった。まー、体を運動になれさせるのが目的ぐらいのもので最近のは別に鍛える目的ってわけでもないけど、とりあえず、週3日の合計15kmは規則正しく走り続けようと思ったのである。
でも、走る人は毎日でも走るみたいだし、僕もこの調子で行くと隔日で走るのに飽き足らずに平日はずっと走っているようになる可能性も高い。別に走るのが楽しいとは思わないけど、僕はこういう習慣によって自分をいじめ抜くのが好きなところがある。きっちりと規則正しく決まった程度の負荷を毎日掛け続けて、そのうち、平均以上のスペックまで高めるのが好きなのだ。
現状、会社の行き帰りの車の中で村上春樹のランニングエッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること」を読んでいる。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: ペーパーバック
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この本については何度か読み返しているんだけど、小説家志望のワナビをランニングに駆り立てるぐらいのランニングへの偏愛に満ちている。要するに、ランニングを好むような人種というのは、一定ペースで体に負荷を掛け続けてそれで精神を研ぎ澄ませるのが好きなタイプなのだ。村上春樹にしてもフルマラソンなんぞをすると、二度とこんな苦行は行わないと何度も誓うのだが、それでも村上氏は20年近く年に1度はフルマラソンに参加しているのだ。
「走ること~」は本当に村上氏がランニングというものを愛している事が分かるエッセイ本である。なんせ、村上氏が小説を描くことは路上を走ることを通じて学んだと断言するぐらいである。まー、僕と村上氏では持っている才能が全く違うのだが、なんとなく文章を書くこととランニングの共通性は分からなくもない。長文を書くことも、ランニングをすることも、集中力を研ぎ澄ませて一つのことに一定のペースで力を掛け続けるというところが似ている。また、文章にせよランニングにせよ、毎日続けないと腕がなまってくるってのも似ている。村上氏は筋肉というものは覚えの悪い使役動物みたいなものという表現を使っているが、何度も何度も繰り返し限界近くの負荷を与え続けていると、そのうち上限以上のスペックまで伸びていく。だが休んでいると体の方もサボって良いのだというのを学び、あっさりと能力も低下する。
まー、僕はランニングに関しては1日10km程度のジョギングが出来る程度まで能力を伸ばしたいなーと考えている。それぐらいが走れれば多分、フルマラソンも4~5時間位掛けて完走することも可能でしょ。僕としてはランニングで何かしらの目標があるというよりは頭の中を真っ白にして考え事や悩み事を忘れされる時間がほしいのよ。後は、フィジカルを鍛えることで文章を書く能力を引き伸ばしたいみたいな事もある。こういう事を思い付いたのはやっぱり村上春樹の「走ること~」の影響は大きい。
明日は走れるかな。なんか、天気予報をみてたらピンポイントで朝4時から雨降るみたいなんだよな。明日も雨が降るなら未完成のクリスマスイラストを仕上げとこう。
今日の本題は本を読んだから読書メモをまとめて置こう。今日読了したのはふろむださんの『人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』。
- 作者: ふろむだ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/08/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ふろむださんというと分裂勘違いくん劇場というブログを運営しているはてなの人気ブロガーの方です。とんがった戦略と読ませる文章を持った実力派の書き手ですね。
この本は認知心理学の中の認知バイアスなどで散々に歪んだ人の認識を暴き立てて、その中で効率よく成功を手に入れるための戦略を解説した本である。気になった箇所を2~3箇所抜き出しておこう。
まずは、 いろんなことに、 小さく賭ける。 ハロー 効果 が 得 られ そう な 仕事 や 役割 に 手 を 上げ、 いろいろ チャレンジ し て みる。 チャレンジ し て 成功 する か どう か なんて、 運次第 だ から、 たくさん チャレンジ する しか ない。 サイコロ で 当たり を 出す のに 一番 効果的 な 方法 は、 たくさん の 回数、 サイコロ を 振る こと だ から だ。
ふろむだ. 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている (Kindle の位置No.546-549). ダイヤモンド社. Kindle 版.
人生において、実力がある人ほど成功するかもしれないと思うかもしれないが、実際の所、人生は「運ゲー」である。実力があろうとなかろうと成果を出すかどうかにはあんまり関係なくて、成功者は回りから称賛される成果をうまく独占できた人なのだ。どれだけ、コツコツと努力を積み重ねていても他人から評価されない仕事では環境も変わらず、利益も得られず、やがて埋もれていってしまう。成功するためには、勝ちグセをつけて徐々に他人の評価を得られるような実績を積み重ね、更に成功しやすい環境を手に入れるしかない。そのためには成功する運のマネージが肝心なのである。1の目を数多くサイコロで出すためには、一番いい作戦はサイコロを何度も振ることである。成功するためにはいろんなものにチャレンジするのが一番だ。なおかつ、「確変」を見逃さないようにするのが肝心だ。一旦、小さな成功でもここから大きく広げられるチャンスと見たらガンガンリソースをぶち込むのである。こうすることで「運ゲー」を攻略するのである。
自分 の 人生 の 選択 を する とき だけは、 徹底的 に 思考 の 錯覚 の 汚染 を 除去 し て、 研ぎ澄まさ れ た 直感 と 論理的 思考 で、 本当に 正しい判断をしなければならないのだ。
ふろむだ. 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている (Kindle の位置No.384-385). ダイヤモンド社. Kindle 版.
この本ではたくさんの認知バイアスについてのことが書かれている。それから分かることは、現実を直視できるような人間はほとんど居ないということだ。人は現実よりも脳内の物語を重視する。脳内の物語に矛盾が発生しそうになると、過去の記憶の方を改変する。この本では書かれていないけど、人間の記憶で一番残るのがエピソード記憶なのも、人間の脳がストーリを重視することの証明なのかもしれない。
人間はどれだけ客観的に物事を評価しようとしても認知バイアスが掛かる。例えば学歴なんか関係ないと言っているような連中が実は高学歴だったりするような事実だ。実際は学歴はハロー効果で大きく社会での成功に寄与する。こういう認知バイアスをうまく利用して自分を大きくみせるように行動するのは実は悪い作戦ではない。
しかし、認知バイアスでまずいのはそれが自分のコンプレックスになってしまうようなものだ。例えば学歴コンプなどでいい大学に行けなかった自分は価値がないなどと思いこんでしまうことだ。実際の所、人生は運ゲーである。自分のリソースをどうやってうまく運用するかが全てであって、認知バイアスを事実だと思って自分には価値がないと萎縮してしまうのが一番の悪手である。
他人に対しては認知バイアスなどをうまく利用する戦略を理解しつつも、自分の中では認知バイアスを排して正確に事実を把握しなければならない。自分の持っているリソースをうまく活用するためには、世間の歪んだレンズを真実だと思ってはいけないのだ。そうして、自分の運、能力、錯覚資産をうまく運用して、更に複利で伸ばせる実績を手に入れて成果をだしていくのである。
総論。
この本は心理学を社会で運用するにはどうするべきなのか理詰で書かれた成功読本って感じですね。実際にtwitterを使って錯覚資産を伸ばす方法なども書かれている。現代のようにSNSの評価が社会的評価につながっていく社会などでは有効かもしれない。実力主義社会の裏の顔を知りたい人にはオススメである。
- 作者: ふろむだ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/08/09
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「バビロンの大富豪」を読んだので感想など。 - 超メモ帳(Web式)@復活
『人生の勝算』(前田裕二著)を読んだ。 - 超メモ帳(Web式)@復活
「脳はなにかと言い訳する」(池谷裕二)を読んだ。 - 超メモ帳(Web式)@復活